金木犀の思い出

今日は天皇の即位の礼。

もともと今日は原稿書きの一日だったので、

外には出ずに肌寒い一日を部屋の中で過ごしました。

 

日中はまだ気温が高いので、秋の風を楽しもうと窓を開けてみたところ、

金木犀の香りが、ふわっと部屋に入ってきて思わずうっとり。

秋の香りですね。

 

うちの目の前の通りだけでも、

金木犀の木は4本ほどあって、オレンジの小さい花が今満開です。

 

 

中国が原産で、白ワインに金木犀の花を漬けたものが桂花陳酒だと認識しています。

私はお酒はほとんど飲めませんが、何度かこの甘い香りにひかれて食前酒としてオーダーしたことも。

 

一番思い出深いのは、高校生の頃の金木犀の香り。

私は卓球部でしたが、秋のこの時期は日が落ちるのも早いし、

それだけでも普通に寂しく、もの悲しく感じました。

ましてや、負け試合の帰りは薄暗く、家族と離れて下宿していたこともあって

なおさら、寂しい秋の情景です。

そんな中、この金木犀のやさしく甘い香りが私を慰めてくれた記憶。

 

また、東京に単身赴任していたころ、

代々木上原の自宅の周りにはこの金木犀がたち並んでいて

プロジェクトで遅い時間まで会社にいたあの頃をこの香りとともに思い出します。

20年たっても鮮明に覚えていて、辛かったというより懐かしさが勝るかな。

 

私にとってこの金木犀は、「頑張れ～！」のエールフレグランスです。

開花から、大体4～5日で散ってしまう命なのでさらに貴重な思い出と重なるのでしょう。

私は、この金木犀の花をアルコールに漬けたり、

ハーブティーのブレンドでお茶として使います。

科学雑誌のネイチャーでもその効能（高い抗酸化作用）が取り上げられたこともありました。

 

 

この星屑のような花びらが、夢の中で香るような気がするんですよね。

きっと懐かしさを感じるのは私だけではないはずです。

 

嗅覚と記憶の関係がとくに強いと感じる金木犀の香り。

秋の夜長、香りはしなくても思い出の中の香りでリラックスできそうです。

 

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