814-0002 福岡市早良区西新
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エルダーフラワーとエルダーベリーで発酵コーディアルづくり。完成した香りが素敵!
初夏のこの時期は沢山のハーブたちの収穫が楽しめます。
私の自宅の小さな庭のハーブたちも、毎年きちんとココロとカラダを癒し健康をサポートしてくれています。
そんなハーブたちの活用法は数えきれないくらい沢山ありますが、
エルダーフラワーを使ったシロップづくりは定番の人気レシピです。
そんなコーディアルを今年はエルダーフラワーのお花とベリーを使って発酵させてみました。
それが何とも素敵で完璧なできあがりでしたので、
こちらでご紹介してみます。
これは今年の植物観察会で撮ったエルダーフラワーの木とお花です。
フレッシュの香りはマスカットのように甘い。 福岡市の植物園でも毎年5月ごろに開花して素敵な香りが漂っていて植物観察にはお薦めです。
お花はこんな感じで小さくてかわいいんです。
コーディアルは、英語だと「cordial」と書き、「心からの」という意味の形容詞です。
昔は「心臓に良い」とされ、様々な飲み物を混ぜ合わせ、医薬品として使用されたといわれています。
コーディアルの名前を目にしたのは、ハーブを学んでいた初期(10数年前)ですが、インフルエンザの特効薬というニックネームを持つエルダーフラワーの
甘い飲み物として子供が飲むこともあり、「赤毛のアン」や「ライオンと魔女」などの児童文学作品に登場する薬酒も、このコーディアルなのだそうです。
エルダーフラワーは梅雨前に旬を迎えます。 今年も北海道のきりり農園さんからご縁があり送って頂きました。 以前も立派なエルダーフラワーが届いたときにとても感動して動画に収めたりしています。
今回も沢山のエルダーと、佐賀の農家さんからいただいた無農薬レモン。 大きい!です。香りもシトラス~、で、パブロフの犬の条件反射のように唾液が出てきます。 レモンはスイートを作るときに、ハーブとの相性がとてもいいので頻繁に登場するのですが、
やはり無農薬のものは安心して使えるため、捨てるところがないように使い切ります。
どちらも自然の材料で作るという点では変わりません。
私の場合、作り方で呼び方を意識的に分けている感じですが、どれが正解かは分かりません。
私が呼ぶ「コーディアル」はエルダーフラワーに熱をいれずに発酵させる手法です。 手のひらに付いた花びらが本当に可愛いです。(何度もしつこくてごめんなさい)
それに対し、シロップ剤は全部の材料を火にかけて煮込む方法。 これでは花や花粉に含まれる酵素は死んでしまうため、発酵工程はありません。
また、煮込む事で香りも飛んでしまうためエルダーフラワーの香りが微妙なできあがりになってしまいます。
私の欧州の友人たちが農家さんから教わったレシピは大体発酵させることが多そうです。 そのレシピを何度か試して、今回のような作り方にフィックスさせました。
煮込まずとも、やはり成分は常温の水には出てこないので、
40℃少しの温度を保ちつつ、エルダーフラワーの成分抽出をしっかり時間をかけて行います。
1. 糖類とレモン汁、無農薬のレモン果皮を一旦沸騰させるて溶かす。
2. 沸騰させた液体の温度が46度に下がるまで待って、そこに軽く水をくぐらせたエルダーフラワーとベリーを投入。
3. 温度を保ちながら、じっくり時間をかけて成分を抽出させます。
4. 漬け込んだら、1~2日そのままにします。
5. その後、濾してそのまま寝かせて発酵を続けさせます。
下図が濾したあと。これでもまだ勿体ない感じなのです。。。
ただ、濾したあとの液体は不思議なくらいマスカットの香りがしっかりしています!
6. こんなに濃いコーディアルに。。
今回はエルダーフラワーの花とベリーをつけこんで発酵させたのですが、
実は期待されるフラボノイド成分はベリーに多く含まれています。
その濃いアントシアニン成分が血流を促し、体温をあげ発汗に繋がるという作用でしたね。
しっかり濃厚なコーディアルができました。
様々な講座で受講生の皆様にも飲んで頂こうと思います。
学名:Sambucus nigra 英名:Elder Flower 和名:西洋ニワトコ 科名:レンプクソウ科(スイカズラ科)
イギリスの田舎の方だと生垣で目にすることが多いそうで、「田舎の薬箱」などとも呼ばれています。 メディカルハーブとしては、激しいアレルギー症状を起こし、カタル(粘膜の炎症)と呼ばれるくしゃみ、鼻水、涙目などが手のつけようがないほどひどくなった状態をこのハーブは鎮めてくれるため、欧米では「インフルエンザの特効薬」との呼び名も広まっているほどです。
有効成分としてはルチン、クエルセチンといったバイオフラボノイド(ビタミンP)やビタミンCなど炎症に対して作用するような成分が含有されています。特にフラボノイドについては含有量も多く「フラボノイドの女王」とも呼ばれています。粘膜に対する「粘液質」も豊富です。
風邪やインフルエンザへの適用
エルダーフラワーには発汗作用による解熱効果や、呼吸器系の炎症を抑えたりする効果、気管の粘液分泌を促進させる効果があるため、コーディアルは風邪やインフルエンザ、花粉症に使われています。
発汗作用
エルダーフラワーには利尿作用や、便通を良くする作用、発汗を促す作用があり、むくみ予防もサポートしてくれます。
肌への効果
エルダーフラワーには肌への効果も期待できます。先述したエルダーフラワーの持つ発汗作用からお肌をサポートするハーブとしても有用です。
リラックス効果 エルダーフラワーのフラボノイド成分は飲むとカラダを温めてくれるため、リラックス効果や鎮静効果が期待できます。他の安眠ハーブとブレンドして飲んでみるといいですね。
発酵させずに香りをそのまま楽しむためには、エルダーフラワージュースもお薦めです。 一昨年(2022年)は教室でシロップ剤ではなくこのジュースを皆さんと作りました。 とても美味しかったですよ。講座の様子はこちらから
フレッシュハーブのレッスン「エルダーフラワー&ローズ」
今年は受講生の数名と一緒にエルダーフラワーを楽しみました。 来年はスイートなどにも挑戦したいと思います
ひだまりハーブガーデン&スクール
24/11/13
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初夏のハーブ「エルダーフラワー」
初夏のこの時期は沢山のハーブたちの収穫が楽しめます。
私の自宅の小さな庭のハーブたちも、毎年きちんとココロとカラダを癒し健康をサポートしてくれています。
そんなハーブたちの活用法は数えきれないくらい沢山ありますが、
エルダーフラワーを使ったシロップづくりは定番の人気レシピです。
そんなコーディアルを今年はエルダーフラワーのお花とベリーを使って発酵させてみました。
それが何とも素敵で完璧なできあがりでしたので、
こちらでご紹介してみます。
これは今年の植物観察会で撮ったエルダーフラワーの木とお花です。
フレッシュの香りはマスカットのように甘い。
福岡市の植物園でも毎年5月ごろに開花して素敵な香りが漂っていて植物観察にはお薦めです。
お花はこんな感じで小さくてかわいいんです。
ハーブコーディアルって何?
コーディアルは、英語だと「cordial」と書き、「心からの」という意味の形容詞です。
昔は「心臓に良い」とされ、様々な飲み物を混ぜ合わせ、医薬品として使用されたといわれています。
コーディアルの名前を目にしたのは、ハーブを学んでいた初期(10数年前)ですが、インフルエンザの特効薬というニックネームを持つエルダーフラワーの
甘い飲み物として子供が飲むこともあり、「赤毛のアン」や「ライオンと魔女」などの児童文学作品に登場する薬酒も、このコーディアルなのだそうです。
エルダーフラワーは梅雨前に旬を迎えます。
今年も北海道のきりり農園さんからご縁があり送って頂きました。
以前も立派なエルダーフラワーが届いたときにとても感動して動画に収めたりしています。
今回も沢山のエルダーと、佐賀の農家さんからいただいた無農薬レモン。
大きい!です。香りもシトラス~、で、パブロフの犬の条件反射のように唾液が出てきます。
レモンはスイートを作るときに、ハーブとの相性がとてもいいので頻繁に登場するのですが、
やはり無農薬のものは安心して使えるため、捨てるところがないように使い切ります。
コーディアルとシロップ剤の違い
どちらも自然の材料で作るという点では変わりません。
私の場合、作り方で呼び方を意識的に分けている感じですが、どれが正解かは分かりません。
私が呼ぶ「コーディアル」はエルダーフラワーに熱をいれずに発酵させる手法です。
手のひらに付いた花びらが本当に可愛いです。(何度もしつこくてごめんなさい)
それに対し、シロップ剤は全部の材料を火にかけて煮込む方法。
これでは花や花粉に含まれる酵素は死んでしまうため、発酵工程はありません。
また、煮込む事で香りも飛んでしまうためエルダーフラワーの香りが微妙なできあがりになってしまいます。
私の欧州の友人たちが農家さんから教わったレシピは大体発酵させることが多そうです。
そのレシピを何度か試して、今回のような作り方にフィックスさせました。
ハーブコーディアルをつくる
煮込まずとも、やはり成分は常温の水には出てこないので、
40℃少しの温度を保ちつつ、エルダーフラワーの成分抽出をしっかり時間をかけて行います。
1. 糖類とレモン汁、無農薬のレモン果皮を一旦沸騰させるて溶かす。
2. 沸騰させた液体の温度が46度に下がるまで待って、そこに軽く水をくぐらせたエルダーフラワーとベリーを投入。
3. 温度を保ちながら、じっくり時間をかけて成分を抽出させます。
4. 漬け込んだら、1~2日そのままにします。
5. その後、濾してそのまま寝かせて発酵を続けさせます。
下図が濾したあと。これでもまだ勿体ない感じなのです。。。
ただ、濾したあとの液体は不思議なくらいマスカットの香りがしっかりしています!
6. こんなに濃いコーディアルに。。
今回はエルダーフラワーの花とベリーをつけこんで発酵させたのですが、
実は期待されるフラボノイド成分はベリーに多く含まれています。
その濃いアントシアニン成分が血流を促し、体温をあげ発汗に繋がるという作用でしたね。
しっかり濃厚なコーディアルができました。
様々な講座で受講生の皆様にも飲んで頂こうと思います。
エルダーフラワーとは
学名:Sambucus nigra
英名:Elder Flower
和名:西洋ニワトコ
科名:レンプクソウ科(スイカズラ科)
イギリスの田舎の方だと生垣で目にすることが多いそうで、「田舎の薬箱」などとも呼ばれています。
メディカルハーブとしては、激しいアレルギー症状を起こし、カタル(粘膜の炎症)と呼ばれるくしゃみ、鼻水、涙目などが手のつけようがないほどひどくなった状態をこのハーブは鎮めてくれるため、欧米では「インフルエンザの特効薬」との呼び名も広まっているほどです。
有効成分としてはルチン、クエルセチンといったバイオフラボノイド(ビタミンP)やビタミンCなど炎症に対して作用するような成分が含有されています。特にフラボノイドについては含有量も多く「フラボノイドの女王」とも呼ばれています。粘膜に対する「粘液質」も豊富です。
エルダーフラワーの効果・効能①
風邪やインフルエンザへの適用
エルダーフラワーには発汗作用による解熱効果や、呼吸器系の炎症を抑えたりする効果、気管の粘液分泌を促進させる効果があるため、コーディアルは風邪やインフルエンザ、花粉症に使われています。
エルダーフラワーの効果・効能②
発汗作用
エルダーフラワーには利尿作用や、便通を良くする作用、発汗を促す作用があり、むくみ予防もサポートしてくれます。
エルダーフラワーの効果・効能③
肌への効果
エルダーフラワーには肌への効果も期待できます。先述したエルダーフラワーの持つ発汗作用からお肌をサポートするハーブとしても有用です。
エルダーフラワーの効果・効能④
リラックス効果
エルダーフラワーのフラボノイド成分は飲むとカラダを温めてくれるため、リラックス効果や鎮静効果が期待できます。他の安眠ハーブとブレンドして飲んでみるといいですね。
発酵させずに香りをそのまま楽しむためには、エルダーフラワージュースもお薦めです。
一昨年(2022年)は教室でシロップ剤ではなくこのジュースを皆さんと作りました。
とても美味しかったですよ。講座の様子はこちらから
今年は受講生の数名と一緒にエルダーフラワーを楽しみました。
来年はスイートなどにも挑戦したいと思います
ひだまりハーブガーデン&スクール